2014年から「NISA」が始まり、株式投資の利益を非課税にしてもらうことができるようになりました。
NISAとは、「少額投資非課税制度」のことであり、イギリスのISA(個人貯蓄口座)を参考にして設計されたため、この名前が付いています。
2014年〜2023年の10年間(2024年から新NISAに移行)の制度になっています。
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NISAとは
NISAでは、毎年120万円の非課税の投資枠が提供され、株式を始め、投資信託やETF、REITの投資による利益や配当金が非課税になります。
そして、年間投資額120万円の非課税枠は5年間適用されるため、最大で600万円の投資に対する利益が課税対象外になります。
つまり、非課税枠内の投資なら、理屈上では1千万円儲けようと、1億円儲けようと、税金を納めなくても良いことになります。
通常、株式などで儲けたお金は一時所得として、20.315%の税金を課せられるのが、0円ということです。
NISAの利用方法
NISAは複数の金融機関に口座を設けることができます。
ただし、同年中に複数の金融機関にNISA口座を作ることはできません。
また、複数の口座を開設したとしても、投資できるのは合計で年間120万円までです。
NISAは新規の投資が対象となっており、従来から保有している資産をNISAに振替えることはできません。そして、投資枠は単年度ごとに締切られます。
例えば、今年100万円しか投資できなかったため、残額枠の20万円を翌年に繰越して、翌年に140万円(120万円+20万円)を投資するということはできません。
運用商品の処分
NISAで運用している商品を売却することはいつでも自由にできます。
ただし、売却したからといって、売却分の金額を再投資することはできません。
例えば、120万円分の投資をした後で、50万円分の商品を売却したからといって、追加でNISAを利用して50万円の商品を購入することはできないということです。
なお、NISAは独立した口座として扱われるため、商品を売却したことによる損益は、他の口座の商品の損益との相殺(損益通算)はできません。
ところで、NISAの非課税期間は5年で終了するため、期間満了とともに商品を処分しなければなりません。ただ、5年前の120万円分を次年度のNISA枠に移すことができます(ロールオーバー)。従って、再度5年間非課税で運用することが可能です。
なお、NISA口座から一般口座に移行することも可能であり、その場合は移行後に発生した利益に対して税金が課せられます。
例えば、120万円を投資した株式が5年の非課税期間満了時に150万円に値上がっていた場合、一般口座移行時の取得価格は150万円です。
翌年に、さらに値上がりして160万円になった商品を売却すると、10万円の利益に対して税金が掛かります。
逆に、非課税期間満了時に100万円に値下がりしていたとしても、一般口座に移行した時の価格は100万円です。従って、購入時の120万円に価格が戻った時には20万円に対して課税されるため、損することになります。